https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC2020S0Q3A220C2000000/
お金は資産であり、資産の中でも最も流動性が高いので人気だ。その使い道は多様で、他の資産に化けたり、費用として消費されたり。しかも瞬時に形を変えるので過剰流動性とも言われる。
エンゲル係数というのはざっくりいえば収入に占める食費の割合で人間は生きていかなければいけないので貧乏でも金持ちでも食事は固定的に必要だから、その割合が高いと生活が苦しい人とされる係数だ。消費せざるを得ないお金の割合ということ。消費せざるを得ないお金以外は、通常は、投資つまり、貯金も含めた資産の購入にふりむけられる。だからお金持ちはますます金持ちになる。給料が多いから金持ちという考え方は、そのレベルの話でしかない。
前置きが長いが、伊藤忠のこの発想は、人件費を投資とみるか消費とみるか、そういうことだと思う。
レベルが低い会社になればなるほど、人件費は消費、または、浪費であり、いかに削減するかがテーマだ。
伊藤忠は人件費を次のビジネスのための投資と考えている。伊藤忠のようなマネジメントができる会社は発展するだろうなと素直に思う。
ビジネスは日々陳腐化し、留まることは即ち後退を意味する中で、会社の資産は消費に向かわせてはダメで、常に投資、投資で行かないといけない。人件費も投資であるべきなのだ。固定費的費用にしてはいけない。
伊藤忠様とビジネスの接点があった。私のような半分公務員のような会社の人間からすると、雑だな、おっちょこちょいだな、と思うことが多かったが、接する人、一人一人は個性的で好きだった。そしてスピードが早く、つまらないことは、そもそもやらない。一言で言えば 留まることを知らない。 そういう人たちであった。

事業は、人生そのもの、ピンボールの銀の玉のように、あっちではねられ、こっちの穴にハマり、ようやくゴールかと思いきやレバーで振り出しに戻る。コントロールなんかしようがないが、ぶつかったり、穴にはまるたびにポイントが貯まる。そうやってポイントが貯まって、パンと乾いた音が鳴って、次のゲームの機会が許される。
銀の玉を打ち出しもせず、台を震わせTILTにしてしまう。そして、社員が辞めていくことを嘆くのだが、発射台に詰め込まれて息苦しければ、あげくに、TILTでは、抜け出したくもなる。コントロールしようもないことをコントロールしては、銀の玉は動きようもない。TILTにしてはダメよと銀の玉に言うに至っては銀の玉は白けるばかりだ。
伊藤忠の銀の玉は、1台のピンボール台では飽き足りないようだ。恐ろしい企業だ。



